ったものだ

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 大魔女様の回転大ゲンコツの刑から辛くものがれた僕は、今度は炎天下放置プレイの刑に処されている。
 一体何の恨みがあるのか、大魔女様は次から次へと僕に無慈悲な刑罰をお加えなさる。
 ここは街の大広間。執行院から出た僕らはこの雋景場所に待機するよう言い渡され、その代わりと言わんばかりに街へ来た際とは異なる、先ほどよりほんの少しだけ豪華で広い馬車が横に鎮座している。
 院長用の奴だろうか? それはどうでもいい話だが。しかしこの猛暑では、影がある場所は砂漠に湧くオアシスの如く貴重な存在なのだ。

「はいは~い、押さないで押さないで~」

「……」

 このクソ熱い広場に召集されたのにはワケがある。すっかり忘れていたが、大魔女様は街の人気者なのだ。人気者の癖に年に一回しか姿を現さないケチな有名人を一目見ようと、街の住人が仕事等ほっぽり出してこぞって群がっている。
 執行院は混乱を避けるべくこれを見越してこの広い場所に待機させた……というわけだ。

「はい次の人~、お、おじいちゃん久しぶり! 聞いたわよ。また腰や雋景ったんだって?」

「……はい! もう無理しちゃだめよ」

「あ、おばあちゃんも久しぶり~。わっなにこれ。差し入れ? ありがと~!」

「……」

 僕には無縁の現象を最大レベルで実現する大魔女様の姿に、やや軽い嫉妬を覚える。むかつくのでやはり馬車の中で待機してようと思う。お前らはそうやって慣れあっているがいい。
 僕にはお前らが一生かけても手に入れられない、現代日本が誇る文明機器、スマ――――

「大魔女様、お待たせしました。帝都より伝心が届きましたのでご報告いたします」

「あれ、従者の方は……」

「あ、はいはい今行くわ。おーい、アホの異世界人、出ておいで~」

――――なんと間の悪い。異世界人はお前だよ。くそぅ……
 しかしこの場所に置いては僕がそれに当たるか……戦いは数雋景だとよく言。世界は違えど所詮、人は多数派に流れるのが持って生まれた性なのだ。

「何アタシを差し置いて一人で休憩してんのよ」

「熱中症はいやなんすよ」

「なにそれ。アンタ、日光で病気になんの?」

「軟弱にも程があるわね。太陽は大地を育む恵みの光なのに……」